最近、流行を見せている梁見せ天井。
言葉の通り、天井を見上げると、梁が見えている状態のことです。
オシャレなカフェをはじめ、戸建リフォームや新築住宅でも採用されていることが多いので「見たことがある」という方もいらっしゃるかもしれませんね。
梁は木造建築で大変重要な役割をはたしている木です。
上の2枚の写真は、築100年の木造住宅の梁のBEFORE/AFTER。
2つの梁は全く同じに見えますが、1枚目が100年家を支えてきた梁で2枚目がリノベーションをするにあたり、新たに取り替えた梁です。
この梁は構造上の梁。
ですが、梁見せ天井の場合は、構造そのものに使われている梁を見せる場合(今回紹介するパターン)と単なる装飾の梁の2種類があります。
これらを踏まえ、梁見せ天井のデザインやリノベーションの様子を紹介していきましょう。
[目次]梁見せ天井BERORE/AFTER
1.梁見せ天井ってどんなの?
冒頭にも書いたように梁見せ天井は、水平や斜めに走る梁を丸見えにした天井です。
梁は、建物の構造を支える重要な物で通常は、天井の裏に隠れているものです。
その為、最初から見せることを考えずに建てられている家の梁は、曲がっていたり節くれだっていたりいます。
凸凹した梁を見せたままにした寝室。
節くれだって、穴が空いたままの梁を見せたキッチンの天井。
今ある天井裏にある構造梁をそのまま見せる場合は、上の例のように「真っすぐ綺麗な」というより「味わい深さ」を重視した梁見せ天井になります。
梁見せ天井には、もう1つのやり方があり、それは、構造とは関係なく梁を水平に天井に渡す方法です。
等間隔に梁を渡した開放的なLDK。
斜め天井に黒の梁を等間隔で渡し、梁下にライティングレール(ダクトレール)をつけた格好良いリビング。
構造とは関係ない見せ梁は、開放感やおしゃれさをアップする場合に用いるケースが多いです。
2.築100年の梁見せ天井BEFORE/AFTER
2-1.古い梁を取り替える
弊社が携わった築100年の和風建築のリノベーション。
天井を取っ払い、梁見せ天井仕様にして開放的な部屋を作っていく予定でしたが、解体の際、梁が腐っていることが判明しました。
「そのままでは意匠的に使えない」のはもちろんのこと、腐ったまま使用すれば建物全体の構造にも影響が出てしまいます。
そこで、腐った梁を取り除き、全く同じデザインの梁を新設し、以前よりも補強をアップすることになりました。
左から右に走っている歪曲した木が梁(旧)です。
昔は、このような歪な形をした木材がたくさんありましたが、現在は見つけるのに一苦労。
梁(旧)を撤去します。
奥行き方向に走ってる梁の隙間が空いている部分(写真右側)が梁(旧)が納まっていた場所です。
曲がった丸太がなかなか見つからず、3か月かかって見つけた梁(新)。
梁(旧)は1本の木でしたが、梁(新)は2分割。
手前と奥の斜めにカットしてある部分は、屋根と壁面に刺さる場所。
ピタリと納まるように梁(旧)の寸法を元にあらかじめ刻んであります。
左の梁のカット面につけてある物体は、天井裏で回転させて、2本の梁をピタリと合せる為の部材です。
成人男性4人がかりで2階へ運び
屋根、壁、柱の3つの面にピタリと納め
梁(旧)があった場所へ。
反対側の梁も屋根、壁、柱の間にすっぽりと納まっています。
2本の梁を合わせた姿。
真ん中に薄く見える線が、それぞれの梁の継ぎ目です。
2-2.新しい梁を塗装する
最後に柿渋を塗って、完成です。
ちなみに、梁見せ天井の仕上げ材は、漆喰です。
また、この住宅は1階のキッチンが吹き抜けになっていて、キッチンから見える寝室の天井も梁見せ天井になっています。
この梁は、既存の梁の状態が良かったのでそのまま利用しています。
丸太梁を入れ替えた部屋から寝室を撮った写真
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