これまで壁紙クロスを張り替えるきっかけと言えば
「長年の生活で汚れてきた」
「物が当たって破れた」
「リフォームで間取りが変わった為」
などが主流で、壁紙クロスは、内装屋さんや建築会社などいわゆる専門家に依頼して張り替えるのが一般的でした。

が、ここ数年のインターネットの普及により、専門業者でなくても壁紙クロスを取り寄せることができ、専門家でなくても貼れる時代が到来しています。

皆さんも「好きな場所に好きな柄を貼ってみたい!」と考えているのでは?

また、様々な柄の壁紙クロスを貼った部屋を目にすればするほど「より個性的な柄やカラフルな色を」とワンランク上を目指したくなるもの。

これらのワンランク上の壁紙を探す時、必ずと言っていいほど出てくるのが輸入壁紙。

最近では、国内の壁紙クロスメーカーも派手な色や柄を出してきていますが、やはり、国産の壁紙は部屋のアクセントと言うよりは家具や部屋に馴染む大人しめのものが多いように思います。

一方、昔からインテリアに色を使うのが一般的な海外の輸入壁紙は、目を奪われるような色遣いや柄のものが多くあります。

その為「壁紙をポイントにした部屋を作りたい」と考えている場合は、先に輸入壁紙を見た方がお気に入りの柄を見つけるまでの時間が早いような気がします。

ところで、この国産壁紙と輸入壁紙。

「同じ壁紙クロスだけど違いってあるの?」というご質問をよく頂戴します。

  • 貼る時の道具は?
  • 厚みは?
  • 質感は?

自分で貼る場合は扱いやすさ、貼った後は仕上がり具合など、特に、同じ部屋を国産壁紙と輸入壁紙の2種類で貼り分けたい時に疑問に思われる様子です。

東京事務所図面

ABの壁

BCの壁

CDの壁

Dの壁

A面:[上部]輸入壁紙 [下部]国産壁紙
B面:[上部]輸入壁紙 [下部]国産壁紙+輸入壁紙
C面:[上部]輸入壁紙 [下部]国産壁紙
D面:[左]輸入壁紙 [右]輸入壁紙

ABの壁紙クロス

BCの壁紙クロス

CDの壁紙クロス

Dの壁紙クロス

そんな疑問にお応えするため、事務所の4面の壁を輸入壁紙3種類と国産壁紙1種類で貼り分けました。

事例を元に、輸入壁紙と国産壁紙の違いを解説していきますので、ぜひ参考にしてみて下さいね。

1.輸入壁紙と国産壁紙の柄の違い

輸入壁紙と国産壁紙の柄で大きく違うのはテイスト(質感)です。

木目やレンガなどの人気の柄は輸入にも国産にもありますが、国産と比べると輸入の方がヴィンテージ、アンティーク度合が高い気がします。

サンゲツFE4156

弊社が、貼った木目の壁紙はサンゲツですが、輸入壁紙の場合だと下記の写真のように、よりリアル。

ヴィンテージブラックの木目調壁紙クロス①

ヴィンテージブラックの木目調壁紙クロス②

ペンキが剥がれたような木目調壁紙クロス①

ペンキが剥がれたような木目調壁紙クロス②

このリアルさを生かせば、家具に木目を再現することも可能です。

ペンキが剥がれたような木目調壁紙クロス③
カラフルな細いラインのペンキが剥がれたようなリアルな質感の木目壁紙をテーブル天板の上に貼った例。

ペンキが剥がれたような木目調壁紙クロス④
継ぎ接ぎの木目壁紙をテーブル天板の上に貼った例。

「どんな材質でどんなテイストの家具と組み合わせたいのか?」にもよると思いますが、本物っぽい雰囲気を出せるのは輸入壁紙ではないかと思います。

この違いは、見る人の感覚にもよると思いますのでメーカーのホームページで確認し、サンプルや実物を目で見る方が確実です。

また、ど派手な色や変わった柄など、国産では見かけないような柄が多いのも輸入壁紙の特徴です。
缶をプリントした壁紙クロス
缶をプリントした壁紙クロス

派手なグリーンの壁紙クロス
和柄っぽい雰囲気の壁紙クロス

和柄っぽい雰囲気の壁紙クロス
派手なグリーンの壁紙クロス

しかしながら、輸入壁紙には不燃、防カビ、防臭といった機能性の高い壁紙クロスはないので、機能面から探すなら国産の方が断然おすすめです。

【国産壁紙VS輸入壁紙】木目柄

【国産】サンゲツ木目柄 ※21あたりから
【国産】リリカラ木目柄
【国産】東リ木目柄 ※不燃認定デジタルブック 19P~
【輸入壁紙】木目

【国産壁紙VS輸入壁紙】レンガ柄

【国産】サンゲツレンガ柄※17あたりから
【国産】リリカラレンガ目柄 ※デジタルブック
【国産】東リレンガ柄 ※デジタルブック 138P
【輸入壁紙】レンガ柄

2.輸入壁紙と国産壁紙の値段の違い

弊社が施工したサンゲツFE4156は、カタログ記載価格が、1,000円/m 1,090円/㎡ (税別)です。
一方、梁に張ったレンガ調の輸入壁紙は、8,500円(税抜)/1ロールです。

輸入壁紙は10mが1ロールなので1mあたりの値段は、850円。

「輸入壁紙の方が安い!!」と思いがちですが、サンゲツFE4156は幅が92cmで輸入壁紙は53cmとサイズが違うので要注意。

輸入壁紙を㎡単価に直すと、0.53m(幅)×10m(長さ)で5.3㎡。8,500÷5.3=1,603.7…となり、輸入壁紙の方が高くなります。

しかしながら、輸入壁紙にも1ロール6000円代のものもありますし、国産壁紙は定価販売しているところがほとんど無い上に、専門業者に施工込で注文するともっと安くなる場合もあります。

一概には言えませんが「同じ面積を貼るなら輸入壁紙の方が割高になる」と念頭に置いておくと間違いなさそうです。

3.輸入壁紙と国産壁紙の素材の違いと対応する施工道具例

素材

輸入壁紙と国産壁紙。
貼ってしまえば、見た目は同じですが、素材が微妙に違います。

輸入壁紙はフリース(不織布)と紙の2種類。
国産壁紙のほとんどは塩化ビニール樹脂です。

輸入壁紙のKOZIEL Bibliothequeを折ってみた

Bibliothequeの裏面

写真は、フランスの壁紙KOZIELのBibliothequeの裏面で素材はフリース(不織布)。

「フリース(不織布)ってどんなのだろう?」と半分に折って折り目を付けてみました。

Bibliotheque2

裏返して折り目を見てみると、しっかりと線が入っています。

Bibliotheque3

更に表を向けると線の跡がくっきり。
Bibliotheque4

上から線を押して伸ばしてみましたが、元には戻らない様子です。

Bibliotheque5

国産壁紙のサンゲツ FE4156を折ってみた

japan-wallpaper

写真で見るとわからないのですが、こちらはちょっぴり紙っぽい手触り。

japan-wallpaper2

輸入壁紙と同じように裏返して折り目を付けてみると

japan-wallpaper3

くっきりと跡が残ります。

japan-wallpaper4

更にこちらも表側から折り目を押さえて伸ばしてみましたが、ついてしまった線は消えませんでした。

「素材が何だろうととにかく壁がおしゃれになればOK」という考え方もあるかもしれませんが、DIYで貼る場合は、次に紹介する施工道具(特に糊)はそれぞれに対応したものを選ばないと張り手間が増え「せっかく買った○万円分の壁紙クロスが無駄に」なんてこともあります。

施工道具

壁紙クロスを壁に貼るに使う道具は

壁紙クロスの施工道具

  • ①壁紙のりバケ(壁面と壁紙の空気を抜くのに使う)
  • ②ヘラ(壁紙をカットする時に使う)
  • ③竹ベラ(角まで壁紙をぴたりと押し付ける時に使う)
  • ④ローラー(壁紙と壁紙の間を押さえる時に使う)
  • ⑤カッター(壁紙をカットする時に使う)
  • ⑦スポンジ(のりをふき取るのに使う)

です。
更に、壁紙に壁紙クロスをくっつける方法には

  • 壁紙用のり
  • 貼ってはがせる壁紙用粉のり
  • 両面テープ

の3パターンがあります。

自分で貼る場合は、のり付きの国産壁紙を買うという方法もあります。

が、弊社のように輸入壁紙と国産壁紙をミックスして部屋に貼る場合、国産壁紙にのり付きがあっても、輸入壁紙にはのり付きタイプが無い為、輸入壁紙用ののりが必要になってきます。

のりの余りを考えると、全部のり無しで行く方が良さそう&弊社が壁紙を貼る部屋は賃貸ということで、退去時に剥がすことも考えて「貼ってはがせる壁紙用粉のり」を輸入壁紙と一緒に購入し、国産壁紙用の糊は準備しませんでした。

が、この決断がのちにとんでもない結果に…。

nori-ng

レンガ柄は輸入壁紙、木目は国産壁紙なのですが、木目の壁紙の端の方がペロンとめくれているのがわかりますか?

壁にしっかりとのりをつけて壁紙を押さえているにもかかわらず、数分後にはこの状態。

nori

さらに場所によっては、下からも剥がれてくる。(この部分もしっかりと、のりをつけて貼っています。)

しかも、最悪なのが、貼った時は壁にピタッとくっついていること。

壁紙貼りを別の壁ですすめているうちに、ふと振り返ると「さっき貼った場所が剥がれ始める」という現象が起こるので、どこが剥がれてくるのか見当もつきません。

翌日になると剥がれている部分は更に広がり「剥がれる→刷毛にのりをつけて上から押さえる」のいたちごっこを数十回繰り返して、最終的に、ホームセンターで壁紙用のりを購入し、剥がれている部分を丁寧に貼って、やっと落ち着きました。

これらの失敗を踏まえ、最終面のフォトウォール(これも壁紙)は全て両面テープで施工しています。

フォトウォール施工前の壁

フォトウォール

ちなみに両面テープを使用している箇所を白の線で書くとこんな感じ。
両面テープを貼った場所

両面テープは、上部、下部、壁紙の左側、壁紙が隣り合う部分、スイッチプレートやインターホンの周り、壁の高さ方向に等間隔で壁面につけ、壁紙を上から丁寧に貼っていく感じです。

※使用した両面テープは、DIY用の強力なタイプではなく文房具コーナーに売ってるニチバンの「再生両面テープナスタック」です。

4.輸入壁紙と国産壁紙の大きさの違い

壁紙の大きさについては、価格のところでもちょっぴり触れたのですが、輸入壁紙の幅は約50cmでロール売り(1ロールは10m)、国産壁紙の幅は約90cmです。

輸入壁紙数字柄

輸入壁紙数字柄②

輸入壁紙レンガ柄

同じ輸入壁紙でも、上記のように52cm、53cmと違いがあり

国産壁紙木目柄

国産壁紙の場合は幅92cmでプリントの両サイドに真っ白なのりしろがついています。

5.輸入壁紙と国産壁紙の張り心地・手間・仕上がり比較

同じ幅の壁に輸入壁紙と国産壁紙を貼るとしたら、「国産壁紙の方がカットする手間や柄合わせが少なくて済むので簡単そう!」と思ってしまいますが、貼り慣れていない方や女性の場合は、幅が狭い壁紙の方が良いかもしれません。

私の知人に、通販で3部屋分の国産壁紙(のり付き)を買って一人で貼り替えたという女性がいるのですが、貼り終えた後の感想を聞くと「肩が耐え切れなくなって最後の方はぐちゃくちゃになってしまった」と。

肩幅より広い壁紙を何度も腕を上にあげながら貼り進んでいく作業は、想像するより重労働で、思ってるほど簡単ではなかった様子です。

このことは、弊社が貼った42cm、52cm、53cm、92cmの4種類の壁紙の施工&仕上がり比較でも体感済。

下記の壁のうち、一番狭い42cmタイプを貼った時が一番施工時間が短かく

ABの壁紙クロス
輸入壁紙(レンガ):幅53cm、国産壁紙(木目):幅92cm

BCの壁紙クロス
輸入壁紙(レンガ):幅53cm、輸入壁紙(ナンバー):幅52cm、国産壁紙:幅92cm

CDの壁紙クロス
輸入壁紙:幅53cm、国産壁紙:幅92cm

d-wall-after
輸入壁紙(レンガ):幅53cm、輸入壁紙(風景フォトウォール):幅42cm

幅42cmの輸入壁紙を貼った壁は

  • 隣同士の柄を1mmでも間違うと大変なことになる壮大な柄
  • 壁紙同士に隙間ができると見栄えが5割減
  • 分電盤・インターホン・コンセントプレート・電話プレート・スイッチプレートが集中している

という一番ややこしい場所だったにも関わらず、一番綺麗に仕上げることができました。

ご相談・見積受付中
弊社では、お客様ご自身で購入された壁紙クロスの“施工のみ”のお手伝いもさせて頂いております。
施工を希望される方は、下記フォームよりお問い合わせ下さい。

会社所在地マップ