海外のお家のようなカラフルな室内ドアに憧れたことはありませんか?
赤やグリーンやイエローなど、住まいのアイコン的なドアを取り付けたいと思っても、日本の建材メーカーが取り扱う室内ドアは、いつも木の色(茶色)をしたものばかり…。
そんな中、昨年秋の展示会で建材メーカーのWOODONE(ウッドワン)のピノアース オーダーペイントドアを見た時「これだ!!」と心が躍り「いよいよ日本にもカラフル室内ドア時代の到来か!?」と新感覚の商品にワクワク。
早速「事務所のドアにコーポレートカラーであるブルーのドアを取り付けよう!!」となったのですが、オーダー品の為、納期が間に合わない。
そこで、クリア色(木の色)のドアを取り寄せ、自分達で塗り替えることにしました。
WOODONE(ウッドワン)ピノアース/S-VF/自然塗料クリア色幅780cmタイプ
ドア枠に塗装前のドアを取り付け
青の塗料でペイント
建築に関わる会社でありながら、塗装の専門業者さんに頼んでいないのがポイント。
何故なら、この塗装方法は
- 室内ドアを塗ってみたいがペンキを扱ったことがない
- 美術が苦手だったのでペイントに自信がない
という人でも簡単に色を変えることができるからです。
今回の塗装にかかった時間は何と1時間。
ペンキ独特の鼻にツンと来る嫌な臭いやペンキで汚れるのが嫌だという方でも、窓を閉めたまま楽に塗り替えが可能な方法なので是非参考にしてみて下さい。
1.室内ドアを塗装する為に準備するもの
塗装手順を紹介する前に、知っておいて欲しいのは、このペイントに使っている塗装が、専門業者が扱うプロ用の塗料でもホームセンターに売ってるDIY用のペイント材でもなく、家具や内装を好きな色でペイントする習慣がある海外で、手軽に色を塗り替えられるようにと開発されたペイント専用塗料であることです。
この塗料は、ヴィヴィッド系やパステル系など海外ならではの色彩感覚の36色のカラーバリエーションがあります。(2017年2月現在)
また、成分が天然顔料なので、手についてもすぐに洗い流せ、塗料が付着してしまった箇所も水拭きで落とせる優れもの。
その為、扱いがとっても簡単で
「自分で家具を塗るなんて考えたこともなかった。」
「塗ってみたかったけど、自分でできるとは思わなかった。」
こんな方でも、塗料とブラシさえ用意すれば好きな色に塗り替えることが可能なのです。
準備物
- アニースローン社チョークペイント ジルヴェニー(Annie Sloan™ Chalk Paint® Giverny 26)1ℓ
- アニースローン社ペイント用ハードプラシ(豚毛)(Annie Sloan™ Pure Bristle Brushes)
- アニースローン社クリアワックス(Annie Sloan™ Clear Chalk Paint® Wax)
- アニースローン社ワックスブラシ(Annie Sloan™ Wax Brushes)
- アニースローン社ブラックワックス(Annie Sloan™ Black Chalk Paint® Wax)
- サンドペーパー
- フロス
塗料&ワックスは全てイギリスのアニースローン社(Annie Sloan™)のもの。
海外製ですが、日本国内にも販売代理店があるので通販や実店舗で購入可能です。
※ブラシ類もこの塗料専用に開発されているので、今回は使用
※弊社は兵庫県加古川市のCherrybeansさんで色見本を見せてもらいながら色を決めました
サンドペーパーは塗料が乗りやすいようにドアの表面を削るために、フロスは最後の仕上げのブラックワックスを塗るようにと、それぞれホームセンターで購入しました。
2.室内ドアの塗装手順
まずは、塗装面を軽くサンドペーパーで削ります。
ガラスの下にある框の内側の木目に薄く横筋が入ってるのがペーパーをかけた跡
サラッと書きましたがあくまで軽くです。
ペーパーを使って表面を削るのは、チョークペイントが染み込みやすくする為で、元のクリア塗装が無くなるまで満遍なく削ったり、種類の違うサンドペーパーを使って何回もこすったりという工程は不要。
元の色が濃く、薄い色に塗り替える場合でも元の塗装を削る工程を経ずにたった1回で新しい色に塗り替えることができます。
ダークブラウンの窓枠をホワイト系に塗り替えた例
海外の住宅に使われていたステンドグラス入りの窓枠3つをアニースローン社チョークペイント カントリーグレーを使って塗り替えました。
「家から外して、そのまま持って来た」と言わんばかりのペンキの跡が残っていた窓枠に、サンドペーパーをかけず&ペンキを剥がさずに上からそのまま塗料を塗布。
一番左のダークブラウンの枠も「元々こんな暗い色だったっけ?」と思うくらい自然な仕上がりです。(1回塗りです)
アニースローン社チョークペイントのカラーサンプルの中から選んだジヴェルニーを
少量ずつトレイに移し
ブラシに塗布して一気に塗ります。
1回塗りで、この濃さなので「好みの色になるまで何度も塗る」という作業は不要です。
ガラス部分を保護して(最初にするのを忘れていた)、側面も塗って行きます。
ちなみに、保護に使用しているテープは養生テープではなく、黒の布テープです。
ペイントが取っ手についてしまうのが嫌な場合は、取っ手も保護して下さい。
事例の場合は「黒の取っ手に青のペンキがついたみたいになってるのが良いのでは?」ということで保護せずに塗布。
結構な量がついてしまってましたが、水拭きできるので、気になる箇所だけ後で落とすという方法を取りました。
上の写真は、1回目のペイントが終わった直後のもの。
光が反射している部分が、まだ乾ききっていない場所ですが90%くらい表面が乾いているのがわかります。
「こんなにすぐに乾く塗料なら塗りにくいのでは?」と思うかもしれませんが、塗料自体は滑らかで滑りが良く、塗装のプロでなくても自然な仕上がりにすることが可能です。
ちなみにこのペイントは、元々、シャビー感(SHABBY:みすぼらしいの意)を一度塗りで実現できるように開発されているので、ヴィンテージな雰囲気を出すのにぴったりです。
続いて、色を定着させる為、クリアワックスを専用ブラシに塗布してペイントの上から塗り込みます。
ワックス塗布後。
3.世界に1つだけの室内ドアにするために
最後に、ブラックワックスで黒の汚れを加えていきます。(汚しが不要の場合はこの工程は省く)
黒っぽくなっているところがブラックワックスを塗布したところ。
ワックス自体は真っ黒で、車のワックスみたいな使用感です。
少量ずつフロスに塗布して黒くしたい部分に塗り、広げて行きながら濃さを調整します。
(濃くなり過ぎた部分には、前項のクリアワックスを塗り込んで消すことも可能※ペイント→クリアワックスの工程を踏んだ場合のみ)
框の内側に塗布していきます。
どんどん黒い部分を増やします。
最後は、隣の壁紙の雰囲気に合うように調整。
以上で完成です。
4.総括
ペイントすることで、既成のドアにあった艶や木目は消えてしまうのですが「木目のドアは見飽きた」「ドアを自分の好きな色にしたい!」という場合におすすめの方法です。
長年建築業界にいますが、塗装と言えばペンキ屋さんの仕事という概念があったのは事実。
「一般の人でも簡単に!!」という発想の元作られた塗料は、塗るより描くに近く、元の色が多少残っても違和感の無い仕上がりになるのがGOOD。
職人さんの領域になるべく手出ししないのが建築屋の務めという信条でしたが、あまりの塗り心地の良さに自宅のIKEA家具まで青に塗ってしまいました。
- 室内ドアを塗り替えたい
- 室内ドアを新設して好きな色で塗装してみたい
- 既存のドアを好きな色でペイントしてみたい
という方は、ご相談内容を添えて、下記フォームよりお問い合わせ下さい。