“キッチンと言えば、対面”。
そんな間取りが増えて早数年。
キッチンメーカーのカタログ、水回りのリフォーム事例、新築マンションのイメージ写真で目にする機会が多いおしゃれな対面キッチンに憧れて、開放的なLDKやキッチンとダイニングの簡単な往来に憧れてカウンターキッチンにしたものの
「リビングやダイニングから丸見えのキッチンは嫌だ。」
「冷暖房の効率が悪い。」
と、実際使ってみてから後悔する方が稀にいらっしゃいます。
弊社に寄せられる相談の多くは「カウンターの上に扉をつけて、必要な時だけ開けることができるようにしたい」なのですが、その他にも丸見えキッチンを自然に隠す方法は多数。
「キッチンからダイニングまでが近いのは嬉しいけれど、丸見えはやめたい」そんな時のアイデアとして、キッチンカウンターに目隠しをする4つの方法と実際に施工した事例を紹介して行きましょう。
ダイニング側の天井にカーテンレールを取り付けてカーテンをつける方法です。
この場合、カーテンを開けた時の引き残しは袖壁側になりますが、下記のキッチンのように
など条件によっては、取り付けられない場合もあります。
対面式のアイランド型キッチンの前に床から天井まであるグレーのレースカーテンをつけた例。
透け感のあるカーテン素材なら、キッチン側で孤独を感じることも少ないでしょう。
開口部のキッチン側、または垂れ壁にロールスクリーンを下げる方法です。
開口が二か所ある対面キッチンのキッチン側に黒っぽいロールスクリーン(ローマンシェード)を取り付けた例。
ロールスクリーン無しの状態
ロールスクリーンを3/4下げた状態。
ロールスクリーンの場合、空間は横長になり、どの程度空けるかも自在なのでカーテンに比べると自由度が高いです。
パーテーションは、木、ガラス、スクリーンなど様々な材料で作る仕切り壁です。
カーテンやロールスクリーンとは異なり、
などのデメリットもあります。
花柄の透かしが入ったエレガントなパーテンション。
格子型の木製のパーテンション。
透明ガラス+黒フレームのおしゃれなパーテーション。
どれもキッチンカウンターの上にある事例ではないですが、カウンターと天井を固定(後から紹介する「キッチンカウンター上に設置。北欧っぽいオーダー扉パネル事例」参照)して開口部だけをパーテーションにすることも可能です。
キッチンカウンターと天井(もしくは垂れ壁)にレールを取り付けて引き戸にするのがこのパターンです。
など開口幅に応じたデザインが可能です。
引き戸のメリットは、開け閉めが自由なこととロールスクリーンやカーテンと比較すると簡易的な印象が少ないこと。
以下に紹介するのはキッチンの前、または横にアルミフレームのスクリーン引き戸を取り付けた例ですが、イメージの参考に。
上吊りアルミフレーム引き戸。
キッチンカウンターの前に床から天井までのアルミフレーム引き戸を取り付けた例。
天井と床にレールを埋め込み、自由に開閉できるようになっています。
どれも床から天井までの背の高い引き戸の例ですが、開口部(カウンター上から垂れ壁まで)だけの背の低い引き戸にも対応可能です。
ここからは実際にお客様のお家に取り付けたキッチンカウンター上の間仕切りパネル扉の例を紹介します。
※パネル扉と記載してますが、開閉はできません。扉のようなデザインの意です。
6年ほど前にスケルトンにして全面リフォームをしたお客様のキッチン。
キッチンの前面と側面に高さ1mほどの腰壁があるのですが、キッチン前が吹き抜け+ロフトになっていて「キッチン側に吹き込んでくる風を遮りたい」とご要望。
ネット検索で、カウンターの上の仕切り方のアイデアを色々参考にしてみたけれど、”簡易的”なイメージは拭えず、弊社に「見栄えのする仕切りを」と依頼されました。
このカウンター上に乗せる扉形状のパネルを家具屋さんにオーダー。
パネルを取り付ける天井の位置を確認。
パネルを固定する桟の下地を作り
桟を取り付けて
パネル扉を立てます。
パネル扉を固定して
完成です。
パネルのデザインは室内扉やインテリアと合うように設計したオリジナルデザインです。
ご希望の方は、内容を添えて、下記フォームよりお問い合わせ下さい。
近頃の住まいに多用してあるダウンライト。
天井がすっきりと見えるというメリットがありますが、デザインが固定されてしまうので、おしゃれさや華やかさの点から考えると劣ります。
センスの良さそうなインテリアショップに足を踏み入れたことがある方は、ソファやテーブル、チェアと一緒に、様々なデザインのペンダントライトが吊るされているのを見たことがあるでしょう。
でも、ダウンライトが天井に埋め込まれた家にお住まいの方はこれらの照明を目にしても「こんな照明を下げるのはウチは無理」と諦めているのではないでしょうか。
「天井に埋め込まれたダウンライトをペンダントライトに替える方法」は存在します。
ダウンライトを取り外してコンセント部材(アダプター)をつけて強引にペンダントライトを下げるという方法が一般的ですが、この方法は照明の位置を動かしたり、ガラスやステンドグラスを使ったペンダントライトには不向きです。
ダウンライトを重いペンダントライトに替える方法を紹介しますので、参考にしてみて下さいね。
(※電源の移動に電気工事が必要ですが作業時間はたった10分)
紹介する事例は、マンションの対面式キッチンのカウンター部分にペンダントライトをつけたもの。
上の写真を見て頂くと、キッチン天井にはキッチン全体を照らす横長照明とシンク上を照らす流し元灯(ダウンライト×2灯)がついていて、キッチンとダイニングを分ける腰壁カウンターの上には照明器具が無い状態なんですね。
この場合、現在のダウンライトをペンダントライトに変えるだけでは、カウンタースツールを組み合わせてカウンターの上で軽食を食べたり、ちょっとした書き物をするのにカウンターの上を使いたい時に手元が暗く感じてしまいます。
「キッチンカウンターがあるお家のペンダント照明はどんな風についているのか?」と様々な事例を見てみると
カウンターの真上にペンダントライトが下がってるのが一般的なので、今あるダウンライトの位置にペンダントライトを下げるのもライティングプラン方面から考えるとちょっと変。
という訳で、ダウンライトの位置はそのまま(ただし使わない)にしておいて、数cmずらした位置にペンダントライトを下げたい場合に使えます。
街中にあるアンティークな照明器具を取り扱うインテリアショップに行くと、ステンドグラスのシェードやガラスボールを使った質感のあるペンダントライトに出会うことがあります。
写真は、アメリカ、イギリスの輸入家具を取り扱う家具ショップで実際売られているペンダントライト。
現代に生み出されるペンダントライトが、“軽くて素材が軽く見た目がスッキリ”なのに対し、誰かのお家で使われていたものを販売しているお店(輸入家具店に多い)のペンダントライトは、チェーンにコードが巻きついた昔風デザインです。
しかも、アンティークやヴィンテージなどの味わい深いペンダントは片手で持つとズシっと重みを感じる物。
これらを取り付けたい場合は、ダウンライトの電源を再利用するのは耐荷重の問題から、とても危険です。
「今風の軽いペンダントライトではなく、古びた感じもインテリアの一つとして楽しみたい!!」という場合にも、この取り付け方は使えます。
①は、パナソニック、コイズミ照明株式会社、東芝ライテック株式会社等、配線ダクト、ライティングレールなど呼称は違いますが、国内の照明器具主要メーカーに取り扱いがあり、Amazonなどの通販で簡単に手に入れることができます。
ペンダントライトの取り付け位置や個数に応じて適応する長さを購入するようにしましょう。
※事例は、パナソニックのDH0219(1.345m)を使用。
②はペンダントライトとダクトレールの間に使う部材です。
※事例は、パナソニックのDH8542を使用。
③は、ペンダントライトのコード調整に使う部材です。
※事例は、パナソニックのDH8543を使用。
ダウンライトを取り外し、電源位置を探します。
事例の場合、向かって左のダウンライトはコードが1本、右は2本なので、左側が送り線。
ダクトレールの電源線は左側から取ります。
ダクトレールを取り付ける天井面に穴を開け、配線を通し
ダウンライトの穴から取り出します。
ダクトレールを天井に固定します。
ダクトレールと電源線を繋ぎます。(※電気屋さんの仕事です)
ダウンライト側の電源を繋ぎ完成です。
神戸近郊、東京都内にお住まいで、ダウンライトをペンダントライトに変えたいあなた、専門業者派遣します。
希望される方は、下記フォームよりお問い合わせ下さい。
「広い空間を2つに分けたい。」
「通路と部屋の間にドアが欲しい。」
何年も住んでいると生活形態や家族構成が変わり、無かった場所にドアが欲しくなってくることがあります。
子供が小さいうちは広い部屋にしておいて、成長と共に1つの部屋を兄弟姉妹の部屋に分けれるように最初から設計してあるお家なんてのも存在しますが、大抵の場合は、暮らしていくうちに欲しくなるもの。
また、賃貸や貸店舗で「なぜ、ここにドアがない!!」と叫びたくなるような間取りをしている物件に出会うこともあります。
その良い例が下記のワンルーム賃貸マンションの例。
写真の手前がいわゆる部屋部分なのですが「キッチンの手前にドアがあった方が良い」と思いませんか?
…という訳で「賃貸の玄関丸見えの状態にドアを付ける」を実行したのがこちら。
ワンルームの玄関に仕切り+ドアを設け、玄関と部屋を分けた状態
完成後を見ると「とても大掛かりな工事なのでは?」と思うかもしれませんが、実はこのドアは既存の壁に一切ビス穴を開けることなく設置しています。
また、この方法の基本は、壁を立てることにありますので、ドアを観音タイプに変えることも可能。
どんな手段で何もなかったところに仕切り壁&ドアを新設したか、手順を紹介していきましょう。
上の写真のように、ドアや開閉壁を使って1つの部屋を2つに分ける場合、開口部の両サイドに壁が必要になります。
一般的な壁の作り方は、既存の壁や天井に柱を固定して、等間隔に桟木を渡し、コンパネやボードで壁を作るという手法です。
部屋を分けるのは一大事と思ってしまうのは、この柱を固定する際に、壁にビス穴が空いたり、クロスを剥がすという工程が生まれるからです。
が、紹介する事例の場合は、新たに作る壁用の柱を“LABRICO 2×4 ADJASUTER”(ラブリコ アジャスター)という部材を使って天井と床にビス穴を開けることなく固定しています。
実際にどんな風に柱を固定しているか見てみましょう。
“LABRICO 2×4 ADJASUTER”(ラブリコ アジャスター)は、女性でも好きな場所に簡単に柱を立てることができるようにと開発されたもの。
ホームセンターに売ってる2×4材がすっぽりと入るように設計されているので、ディスプレイ用の壁や囲い(?)をDIYできる優れものです。
下部がカップ、上部がアジャスターになっているので、ネジをくるくる回して天井と床に固定します。
2本目の柱は、ドア枠の外寸を測って1本目と同じように床と天井で固定します。
立てた柱にドア枠を固定し
完成です。
ドアをつけた状態。
大掛かりなリフォームというより、DIY感覚で部屋を仕切るイメージです。
事例はドアですが、この部材は、柱の間隔を自由に設定できるので、観音開き扉など、開口が大きな間仕切りを作ることも可能です。
この工程はプロの腕前がある方か大工さんでないと無理かもしれませんが
残りの壁際に、3本目の柱をLABRICOアジャスターで固定し
ボードを新設した柱にビスで固定して壁を作ります。
新設した壁の内側に木桟を予め入れておくと、外からビスがもめるので、賃貸でビス穴厳禁の場合でも、ビスを打ち放題!!
今話題のスティック型掃除機を掛けられるように桟木を入れておきました。
今回、ドアをつけた部屋は、賃貸オフィスです。
賃貸物件は、壁を傷つけるのがご法度だったり、返却時には復旧して返すことが多いのでオフィス用のパーテーションを使って室内に仕切りを作ることがほとんど。
でも、オフィス用のパーテーションは“THE業務用”という印象で、おしゃれなオフィスとは程遠い。
こういった仕切りの常識を変えるのが、今回の工法です。
好きな場所に間仕切りが作れると部屋の使い方が変わります。
また、賃貸ワンルームの場合では、「部屋であれば良い」という要素が大きいせいか、生活のしやすさに配慮した設計になっていない場合があります。
仕切りや扉、ドアを設けることは
というメリットもあります。
ここまで紹介した部屋内側からの写真だとわかりにくいですが、賃貸そのままの状態だと玄関ドアを開けた途端、室内が丸見え状態でした。
玄関ドアを開けて目に飛び込んでくる風景
ドアを作ることでプライバシーが守れ、部屋内に居る時のソワソワ感もなくなった気がします。
BEFORE:ドアが無い状態
AFTER:ドアを取り付けた状態
AFTER:残りの壁を作ってクロス壁紙を張った状態(ソファに当たってドアが開かなかったので吊元を逆にしました)
AFTER:更にソファとトランクテーブルを置いて壁面をディスプレイして完成
この部屋は、玄関ドアを開けた途端、部屋が1個あるだけの間取りです。
その為、廊下の話し声や物を引きずる音、隣の部屋の玄関先での話し声が気になることがありました。
部屋と玄関の間に1個ドアが増えただけで、これらの音が小さくなり「部屋のすぐ近くに知らない人がいる」という不安感が減少しました。
ミニキッチンの通路を挟んだ反対側はトイレ。
玄関ドアはすぐ近く。
この状態での冷暖房の使用は、必要のない玄関周りの空気まで冷やす(または暖める)ことになり、非常に効率が悪かったのですが、生活する場所をしっかりと密閉する壁とドアを設けることで、暖かい風や冷たい風が必要のない場所にまで届いてしまうのを防ぐことが出来ました。
また、賃貸オフィスの間仕切り以外にも
などの応用も可能です。
壁付けキッチンのある「賃貸ワンルームに壁とドアを取り付けたい」とのご依頼を頂戴しました。
弊社事務所で使用したラブリコアジャスターを使って仕切り壁とドアを新設します(上記、仕切りパターンの②)
2×4材を等間隔で床と天井に固定します。
ドア枠の高さを墨付けし
ドア開口部のある下地(柱)が完成。壁は、羽目板ピノアース(無垢)仕上げにするため、下地(横桟)を取り付けます。
柱の内側と外側に無垢の羽目板を取り付けます。
羽目板と同じ素材&色の無垢ドアを取り付け完成です。(玄関側からの写真)
(キッチン側からの写真)
玄関から玄関ホール、リビングへと続く「賃貸マンションにドアを取り付けたい」とのご依頼を頂戴しました。
また「猫ちゃんが飛びついて、“ドアを勝手に開けてしまう対策”もお願いします。」とのご要望。
開口部に、ドアの枠幅に合わせて柱をラブリコアジャスターを使って2本固定。(上記、仕切りパターンの④)
(向かって左側が2本になっているのは、ドアと壁の隙間を埋める材料を後から貼る為です。)
新設ドア用の枠を柱に固定した状態。
ドアを取り付け、取っ手の穴加工を施します。
ドアは、パナソニック ベリティス WA型です。
ベリティス WA型の取っ手は、ハンドルタイプが標準なのですが、ハンドルタイプだと猫ちゃんが開けてしまうので、握り玉タイプの取っ手に変更しています。
ドアと壁の隙間をホワイトの化粧材で埋めて、完成です。
このページで紹介した事例は、セミプロの腕前のDIYが得意な方は、自分でできてしまうかもしれません。
が、柱が床に対して垂直に立ってないと、ドアの開閉がスムーズにできませんので、今回の方法が気になった方はお気軽にご相談下さい。
という方は、ご相談内容を添えて、下記フォームよりお問い合わせ下さい。
※頂戴した内容は、一週間以内にGmailにて返信しております。
※携帯キャリア(docomo、au、softbank)のメールアドレスを入力された場合、設定により返信メールが迷惑メールフォルダに振り分けられることがございますのでご注意下さい。
最近、流行を見せている梁見せ天井。
言葉の通り、天井を見上げると、梁が見えている状態のことです。
オシャレなカフェをはじめ、戸建リフォームや新築住宅でも採用されていることが多いので「見たことがある」という方もいらっしゃるかもしれませんね。
梁は木造建築で大変重要な役割をはたしている木です。
上の2枚の写真は、築100年の木造住宅の梁のBEFORE/AFTER。
2つの梁は全く同じに見えますが、1枚目が100年家を支えてきた梁で2枚目がリノベーションをするにあたり、新たに取り替えた梁です。
この梁は構造上の梁。
ですが、梁見せ天井の場合は、構造そのものに使われている梁を見せる場合(今回紹介するパターン)と単なる装飾の梁の2種類があります。
これらを踏まえ、梁見せ天井のデザインやリノベーションの様子を紹介していきましょう。
冒頭にも書いたように梁見せ天井は、水平や斜めに走る梁を丸見えにした天井です。
梁は、建物の構造を支える重要な物で通常は、天井の裏に隠れているものです。
その為、最初から見せることを考えずに建てられている家の梁は、曲がっていたり節くれだっていたりいます。
凸凹した梁を見せたままにした寝室。
節くれだって、穴が空いたままの梁を見せたキッチンの天井。
今ある天井裏にある構造梁をそのまま見せる場合は、上の例のように「真っすぐ綺麗な」というより「味わい深さ」を重視した梁見せ天井になります。
梁見せ天井には、もう1つのやり方があり、それは、構造とは関係なく梁を水平に天井に渡す方法です。
等間隔に梁を渡した開放的なLDK。
斜め天井に黒の梁を等間隔で渡し、梁下にライティングレール(ダクトレール)をつけた格好良いリビング。
構造とは関係ない見せ梁は、開放感やおしゃれさをアップする場合に用いるケースが多いです。
弊社が携わった築100年の和風建築のリノベーション。
天井を取っ払い、梁見せ天井仕様にして開放的な部屋を作っていく予定でしたが、解体の際、梁が腐っていることが判明しました。
「そのままでは意匠的に使えない」のはもちろんのこと、腐ったまま使用すれば建物全体の構造にも影響が出てしまいます。
そこで、腐った梁を取り除き、全く同じデザインの梁を新設し、以前よりも補強をアップすることになりました。
左から右に走っている歪曲した木が梁(旧)です。
昔は、このような歪な形をした木材がたくさんありましたが、現在は見つけるのに一苦労。
梁(旧)を撤去します。
奥行き方向に走ってる梁の隙間が空いている部分(写真右側)が梁(旧)が納まっていた場所です。
曲がった丸太がなかなか見つからず、3か月かかって見つけた梁(新)。
梁(旧)は1本の木でしたが、梁(新)は2分割。
手前と奥の斜めにカットしてある部分は、屋根と壁面に刺さる場所。
ピタリと納まるように梁(旧)の寸法を元にあらかじめ刻んであります。
左の梁のカット面につけてある物体は、天井裏で回転させて、2本の梁をピタリと合せる為の部材です。
成人男性4人がかりで2階へ運び
屋根、壁、柱の3つの面にピタリと納め
梁(旧)があった場所へ。
反対側の梁も屋根、壁、柱の間にすっぽりと納まっています。
2本の梁を合わせた姿。
真ん中に薄く見える線が、それぞれの梁の継ぎ目です。
最後に柿渋を塗って、完成です。
ちなみに、梁見せ天井の仕上げ材は、漆喰です。
また、この住宅は1階のキッチンが吹き抜けになっていて、キッチンから見える寝室の天井も梁見せ天井になっています。
この梁は、既存の梁の状態が良かったのでそのまま利用しています。
丸太梁を入れ替えた部屋から寝室を撮った写真
という方はご希望内容を添えて、下記フォームよりお問い合わせ下さい。
ガルバリウム鋼板やガルバリウム波板という単語、耳にしたことがありませんか?
ガルバリウムは、錆びにくい、耐久性が高いという理由で、家の外壁や屋根材として使われる材料です。
気にしてみたことが無いという方でも、縦に筋が入ったシルバー色の金属の板が玄関周りやベランダに張られているお家を見たことがあるハズ。
私の記憶では、15年ほど前にガルバリウムを外壁のポイントにした四角い家を見かけるようになった気がしています。
このガルバリウム、実は外壁だけでなく室内装飾としても使えます。
上の写真の黄色のロールスクリーンの後ろにあるシルバーゴールドのような色をした金属板がガルバリウム波板(角波)です。
このごくごく普通の真っ白な室内にガルバリウム波板を腰壁のように張り、男前に仕上げる技を紹介しますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
ガルバリウムは、冒頭に記述した通り、金属の板です。
正確には、アルミニウムと亜鉛合金めっき鋼板で、アメリカのBethlehem Steel(ベスレヘム スチール)という製鋼会社が開発した素材です。
ガルバリウム波板は、このガルバリウムに等間隔で波が入ったものですが、実際に触ってみると、写真で見るよりもしっかりとした印象で、ずっしりと重いです。
上記の写真の4枚を重ねて片手で持ってみたのですが、非力過ぎて移動させるのに一苦労しました…。
ガルバリウム波板は、ネット通販かホームセンターに売っていますが、通販の場合は10枚入り等、必要以上の枚数が届いてしまうことも。
元々面積が広い屋根や外壁に使用する材料なので、大量販売なのだと推測しますが、壁などに使う場合は、そんなに必要ありませんよね。
そんな場合は、1枚単位で買えるホームセンターの方が断然おすすめです。
ホームセンターなら、屋根材が売ってるあたりに置いてあるので店内に足を踏み入れる前に外を見渡してみて下さい。
写真のガルバニウム鋼板は6尺サイズを2枚ナフコで購入し、半分に切断して4枚にしています。
さて、このガルバリウム波板、何枚必要かを知る為には、張る場所を採寸する必要があります。
張る予定の壁の幅は3100mmでした。
ガルバリウム波板のサイズ展開は長さ6尺(1800mm前後)、7尺(2100mm前後)、8尺(2400㎜前後)、9尺(3000mm前後)と尺単位。
更に幅はメーカーによってマチマチですが、だいたい600~760mm前後です。
今回は腰壁風に張ることを想定しているので長さ6尺を半分に切断して、横に5枚並べることにしました。
なので、購入したガルバリウム波板は3枚です。
ガルバリウム波板の張り方は、至って簡単です。
裏面に両面テープ(キッチンパネルを張る時に使う粘着力がある強力なタイプがベスト)をつけて、壁に押し付けるだけ。
今回は、クロス壁紙も新たに張るのですが、ガルバリウム波板を張る部分はわざと壁紙を張っていません。(材料費をコストダウンさせる為)
張る時に表裏を逆にしてしまいましたが、重ねながら張り壁から壁にピタッと収めます
FL+100の段差がある部分は仕方ないのでカットしましたが、床面が平らなら、凸凹に合うように重ねながら横に並べていけば、カットは不要。
※ガルバリウム波板をカットする時は、ブリキ鋏を使います。
最後に、ガルバリウム波板がピカピカ過ぎて、壁紙やドアと合っていないように思ったので、ドアで使用したアニースローンのチョークペイントのカントリーグレー&ダークワックスを適当に塗って汚しを追加。
最後にガルバリウム波板の厚みを隠す見切り材を取り付けて完成です。
(この見切り材は、フロアの側面をカットして再利用したもの)
いかがでしたか?
ガルバリウム波板を張った部屋は、ヴィンテージなインテリアにもぴったり♪
この腰壁の前には、ソファを置く予定です。
ソファの後ろがクロス壁の場合、こすれて汚れてしまったり、傷ついてしまうことがありますが、固い素材のガルバ腰板(勝手に命名)なら壁に跡が残ることも少ないのでは?と思っています。
海外のお家のようなカラフルな室内ドアに憧れたことはありませんか?
赤やグリーンやイエローなど、住まいのアイコン的なドアを取り付けたいと思っても、日本の建材メーカーが取り扱う室内ドアは、いつも木の色(茶色)をしたものばかり…。
そんな中、昨年秋の展示会で建材メーカーのWOODONE(ウッドワン)のピノアース オーダーペイントドアを見た時「これだ!!」と心が躍り「いよいよ日本にもカラフル室内ドア時代の到来か!?」と新感覚の商品にワクワク。
早速「事務所のドアにコーポレートカラーであるブルーのドアを取り付けよう!!」となったのですが、オーダー品の為、納期が間に合わない。
そこで、クリア色(木の色)のドアを取り寄せ、自分達で塗り替えることにしました。
WOODONE(ウッドワン)ピノアース/S-VF/自然塗料クリア色幅780cmタイプ
ドア枠に塗装前のドアを取り付け
青の塗料でペイント
建築に関わる会社でありながら、塗装の専門業者さんに頼んでいないのがポイント。
何故なら、この塗装方法は
という人でも簡単に色を変えることができるからです。
今回の塗装にかかった時間は何と1時間。
ペンキ独特の鼻にツンと来る嫌な臭いやペンキで汚れるのが嫌だという方でも、窓を閉めたまま楽に塗り替えが可能な方法なので是非参考にしてみて下さい。
塗装手順を紹介する前に、知っておいて欲しいのは、このペイントに使っている塗装が、専門業者が扱うプロ用の塗料でもホームセンターに売ってるDIY用のペイント材でもなく、家具や内装を好きな色でペイントする習慣がある海外で、手軽に色を塗り替えられるようにと開発されたペイント専用塗料であることです。
この塗料は、ヴィヴィッド系やパステル系など海外ならではの色彩感覚の36色のカラーバリエーションがあります。(2017年2月現在)
また、成分が天然顔料なので、手についてもすぐに洗い流せ、塗料が付着してしまった箇所も水拭きで落とせる優れもの。
その為、扱いがとっても簡単で
「自分で家具を塗るなんて考えたこともなかった。」
「塗ってみたかったけど、自分でできるとは思わなかった。」
こんな方でも、塗料とブラシさえ用意すれば好きな色に塗り替えることが可能なのです。
塗料&ワックスは全てイギリスのアニースローン社(Annie Sloan™)のもの。
海外製ですが、日本国内にも販売代理店があるので通販や実店舗で購入可能です。
※ブラシ類もこの塗料専用に開発されているので、今回は使用
※弊社は兵庫県加古川市のCherrybeansさんで色見本を見せてもらいながら色を決めました
サンドペーパーは塗料が乗りやすいようにドアの表面を削るために、フロスは最後の仕上げのブラックワックスを塗るようにと、それぞれホームセンターで購入しました。
まずは、塗装面を軽くサンドペーパーで削ります。
ガラスの下にある框の内側の木目に薄く横筋が入ってるのがペーパーをかけた跡
サラッと書きましたがあくまで軽くです。
ペーパーを使って表面を削るのは、チョークペイントが染み込みやすくする為で、元のクリア塗装が無くなるまで満遍なく削ったり、種類の違うサンドペーパーを使って何回もこすったりという工程は不要。
元の色が濃く、薄い色に塗り替える場合でも元の塗装を削る工程を経ずにたった1回で新しい色に塗り替えることができます。
海外の住宅に使われていたステンドグラス入りの窓枠3つをアニースローン社チョークペイント カントリーグレーを使って塗り替えました。
「家から外して、そのまま持って来た」と言わんばかりのペンキの跡が残っていた窓枠に、サンドペーパーをかけず&ペンキを剥がさずに上からそのまま塗料を塗布。
一番左のダークブラウンの枠も「元々こんな暗い色だったっけ?」と思うくらい自然な仕上がりです。(1回塗りです)
アニースローン社チョークペイントのカラーサンプルの中から選んだジヴェルニーを
少量ずつトレイに移し
ブラシに塗布して一気に塗ります。
1回塗りで、この濃さなので「好みの色になるまで何度も塗る」という作業は不要です。
ガラス部分を保護して(最初にするのを忘れていた)、側面も塗って行きます。
ちなみに、保護に使用しているテープは養生テープではなく、黒の布テープです。
ペイントが取っ手についてしまうのが嫌な場合は、取っ手も保護して下さい。
事例の場合は「黒の取っ手に青のペンキがついたみたいになってるのが良いのでは?」ということで保護せずに塗布。
結構な量がついてしまってましたが、水拭きできるので、気になる箇所だけ後で落とすという方法を取りました。
上の写真は、1回目のペイントが終わった直後のもの。
光が反射している部分が、まだ乾ききっていない場所ですが90%くらい表面が乾いているのがわかります。
「こんなにすぐに乾く塗料なら塗りにくいのでは?」と思うかもしれませんが、塗料自体は滑らかで滑りが良く、塗装のプロでなくても自然な仕上がりにすることが可能です。
ちなみにこのペイントは、元々、シャビー感(SHABBY:みすぼらしいの意)を一度塗りで実現できるように開発されているので、ヴィンテージな雰囲気を出すのにぴったりです。
続いて、色を定着させる為、クリアワックスを専用ブラシに塗布してペイントの上から塗り込みます。
ワックス塗布後。
最後に、ブラックワックスで黒の汚れを加えていきます。(汚しが不要の場合はこの工程は省く)
黒っぽくなっているところがブラックワックスを塗布したところ。
ワックス自体は真っ黒で、車のワックスみたいな使用感です。
少量ずつフロスに塗布して黒くしたい部分に塗り、広げて行きながら濃さを調整します。
(濃くなり過ぎた部分には、前項のクリアワックスを塗り込んで消すことも可能※ペイント→クリアワックスの工程を踏んだ場合のみ)
框の内側に塗布していきます。
どんどん黒い部分を増やします。
最後は、隣の壁紙の雰囲気に合うように調整。
以上で完成です。
ペイントすることで、既成のドアにあった艶や木目は消えてしまうのですが「木目のドアは見飽きた」「ドアを自分の好きな色にしたい!」という場合におすすめの方法です。
長年建築業界にいますが、塗装と言えばペンキ屋さんの仕事という概念があったのは事実。
「一般の人でも簡単に!!」という発想の元作られた塗料は、塗るより描くに近く、元の色が多少残っても違和感の無い仕上がりになるのがGOOD。
職人さんの領域になるべく手出ししないのが建築屋の務めという信条でしたが、あまりの塗り心地の良さに自宅のIKEA家具まで青に塗ってしまいました。
という方は、ご相談内容を添えて、下記フォームよりお問い合わせ下さい。
街中にあるカフェや店舗のおしゃれな床材。
マンションのモデルルームや新築内覧会で見るのとは、ちょっぴり違う様子の床に「ウチにも、こんなの張れるのかな?」と思ったことはありませんか?
長年、一般住宅の新築やリフォームに携わっていると、建材メーカーが取り扱っている変わり映えのしないフローリングにちょっぴり飽きてきました。
そこで、事務所にアンティーク加工を施した節ありの広幅フローリングを施工することに。
ヴィンテージ感のあるインテリアショップのような内装をするつもりだったので、溝や節が目立たない変わり映えのしない国内メーカーの床材よりもこちらの方が合うだろうという意味も含めて。
写真は、カナダ産の無垢アルダー材(ALDER)を使った床材です。
アルダー材は、机やキャビネット、テーブルなどの家具に使われることが多い木材なので、あまり馴染みがないかもしれませんが、この色と風合いが素敵!!
…の前に、ここまで読んでる皆様は「日本メーカーが出している床材と海外の床材に何か違いがあるの?」と思ってる方も多いかもしれませんね。
日本国内の建材メーカーの床材によくあるパターンや海外の床材の特徴などを解説していきますので、是非参考にしてみて下さい。
日本メーカーの床材は、1枚の幅が303mm長さが1818mmの板に3列もしくは4列の板が規則正しく並んでいるものが多いです。
これらを張った部屋は、床の柄が目立ちにくいのが特徴です。
ダイケン(大建工業株式会社)の床材
パナソニックの一般住宅用床材
リクシルの一般住宅用床材
ウッドワンのフローリング
株式会社ノダのフローリング
すっきり広々と見せる場合は、このタイプでも良いですが、味わいやアンティークというより“新品”“真っ新”と言った印象ですね。
日本の床材の“新品”な印象に対し、海外の床材は「木」そのものの味わいを生かした温もりのあるデザインが多いです。
上の写真は、日本国内メーカーのフローリングを張った床の上に海外フローリングのサンプルを置いたものです。
色は別にして、日本国内メーカーのフローリングの表面がツルンとしているのに比べて、海外のフローリングは凸凹していて節や割れも見え、同じ木製なのに質感が全く違うのがわかります。
「日本で海外フローリングを入手するには、海外から輸入?」ではなく、国内には海外フローリングを扱ってる問屋さんやメーカーがたくさんあります。
北欧インテリアに合いそうなスウェーデンパインやワイルドヒッコリーを扱うサンワカンパニーなら、珍しいフローリングの取り扱いがあり、ネット購入も可能です。
中には、実際に海外で使われていたフローリングを古材として再利用して販売しているところもあり、これらはネット検索で簡単に見つけることができます。
弊社は元々、古材フローリングを敷くつもりでインターネットで色々探し、そこから行き着いたのが、事務所に使用している無垢アルダー材(ALDER)のフローリングを購入した京都市の株式会社丸嘉(まるよし)です。
古材フローリングの実物が見れるということでショールームに足を運んだのですが、海外フローリングのサンプルがたくさん置いてあるショールームに案内され「これも良い!」ということで、当初の計画と違うものを購入した経緯があります。
ショールームの床にも海外フローリングが張ってあり、種類が違うフローリングのカットサンプルがたくさん展示してあります。
京都のお会社さんですが、無垢フローリングの直販もされていて、全国発送も可能です。
上記のようなカットサンプルを見るだけでもおしゃれさが伝わってきて、3人による多数決でカナダ産の“アンティークアルダーフローリング(シャンベリー)”に決定しました。
㎡単価15,854円と日本メーカーの床材に比べると高いのですが、この味わいは他にはない気がします。
約10㎡(6畳)の土足用事務所にアンティークアルダーフローリング(シャンベリー)を張り、素足で歩けるフローリング仕様に変更しました。
フローリングを張る前は、味気ない寂れた雰囲気のする事務所でしたが
(退去時に剥がせるように両面テープで施工しています。)
床いっぱいに張ると、温もり&ヴィンテージを感じる暖かい雰囲気に!
先ほどのカットサンプルでもわかるように表面がボコボコしているので、踏み心地も良く、アンティークショップで購入したソファやトランクテーブルとの相性も抜群です。
パナソニックのフリーほっとの仕上げ材にカナダ産オールドヒッコリーフローリング(クラッシックライン)を使用しました。
国内メーカーのサイズが揃っているフローリングとは異なり、長さ0.3m~1.8mの乱尺タイプ(幅178mm @19mm)なので、大工さんがフローリングを張る手間は倍以上です。
が、1つ1つハンドメイドで作られているフローリングなので、張った後の部屋はのべ~っとしたフローリングよりも質感たっぷりに仕上がりました。
このように同じフローリングでも、日本のメーカー製と海外製では、何となく味わいが違うのが伝わりましたでしょうか。
ただし、日本メーカーのフローリングは工場量産タイプなのに対し、今回紹介した海外フローリングはお手製。(側面のエイジング加工も1つ1つ手塗だそう)
その分、海外フローリングを使うとコストが高くなってしまうのが難点ですが
には、ぴったりだと思います。